技術ブログのような何か
About | Profile | Application | Source Code | RSS
投稿日時 2025-02-19 06:09:55 +0900 | カテゴリー 雑記
前の記事 生まれて初めて着物を着た | 次の記事
こないだ着物を着たことをブログに書いた(生まれて初めて着物を着た)。 しばらく着物を着てえた学びは、買い揃えたモノについて記録する。 男性着物の話なので注意。
着物を着るときに必要なものがだいたいわかった。
ようは肌着。和服版のアンダーシャツ。長襦袢の下に着る。 別に洋服のアンダーシャツでも良いので、必ずしも肌襦袢である必要はない。 どうせ見えない部分だし。 ただ開けたときにシャツが見えてしまうのが嫌な人は肌襦袢を来ておくのが無難そう。
着物の下に着る。肌襦袢と違って首周りのところが外から見える。
長着と呼ぶこともあるらしい。 和服といえばこれっていう代表的な衣服。
着物の上に羽織るもの。
長襦袢と着物だけ着ると着流しになる。 着流しはカジュアルなスタイルなので、かしこまった場には適さない。 羽織まできると少しかしこまった着方になる。
袴(はかま)まで履くとさらにかしこまった着方になるが、 ここまで行くとちょっと仰々しい感がある。 普段着として着るなら袴は履かず羽織までが良さそうか。
礼装だと黒紋付羽織袴(くろもんつきはおりはかま)になるらしい。 これは流石に買っていない。
5 つ紋になると結婚式の主賓レベルらしい。 結婚式にお呼ばれして着物を着ていく場合は、着物の格をきちんと意識したものにする必要がある。 よくわからない場合は無難にスーツで参加するのでいいと思う。
カジュアルな場と、フォーマルな場で使える帯。 兵児帯(へこおび)の方はカジュアルな場でしか使えないらしいので、 とりあえず角帯だけ持ってれば困らない。
自宅でしか着物を着ないなら角帯ベルトとかでも良いかもしれない。
長襦袢や着物を固定するために巻くもの。2 つ必要。 腰紐を巻いて上から角帯で巻くことになる。 着物を自分で着るまで角帯の下に腰紐を巻いていたことを知らなかった。
和服版の靴下。ただし靴下と作りが違うし、履き心地も違う。 靴下と違って伸縮性がない。 こはぜと掛け糸を使って、固定して履くので、さっと着脱できない。 生地は分厚いので、靴下みたいにすり減って穴が開く心配はない。 生地が分厚いので、足袋を履いて靴を履くとかなり窮屈なのでおすすめしない。
白足袋と、白以外の足袋で着用シーンが異なる。 礼装だと白足袋、それ以外は白以外を履くのが一般的だとか。 僕は黒足袋を買った。黒は割と一般的な色らしい。
底の材質の種類が色々あって、用途に合わせて選択する必要がある。 僕は雨の日でも使えるように、滑りにくいやつを選択した。
財布とかスマホとかを入れられる小さな袋。 着物だと袂にいれることもできるが、重いものや貴重品を袂にいれると落とす心配がある。 そういうときは巾着袋を携帯するのが良い。
ハンカチより大きい布。かなりでかい。 ハンカチの代わりに使ったり、膝の上にかけたりと用途が多い。 外出時は 1 枚もっておきたい。 軽いので袂に忍ばせておくのでいい。
着物と違って上下で別れている。 上下ともに紐で縛って体に合わせるのが特徴。
下がズボン形状になっているので動きやすい。 トイレもしやすくて部屋着として最適。 パジャマっぽくないので、ゴミ捨てくらいなら外出に着ていける。
デメリットとしては、あんまり和服を着ている感がないこと。 甚平や作務衣(さむえ)を和服と意識せずに着てる人も一定数いそう。
浴衣を買うまではずっとこれを寝間着にするつもり。
ずっと「よくい」と読んでた。 まだ買ってないけれど夏になったら買うつもり。
和服店の人に聞いたところ、浴衣は寝間着として使って良いらしい。 実用性でいうと甚平のほうが上だと感じているが、和服感を楽しみたいので浴衣も欲しい。
和服版のダウンジャケットみたいな上着。 冬に防寒対策として羽織るもの。 綿がぎっしりつまっていて分厚く、めちゃくちゃ暖かい。
甚平の上から羽織るのが一番様になると思う。 部屋着として甚平を着ていて寒いときはしょっちゅう羽織ってる。 就寝時はさすがに脱ぐが。
これも前を紐で縛って閉じる。 和服にはボタンって概念がないだろうから、 紐または帯で縛るってのが基本スタイルなんだろうか?
着物を着て生活するときに 1 つは持っておきたい小物。 主にトイレの大きい方をするときに使う。
着物を普段着として使う上で最大の不便な点は、トイレがしづらいこと。 小さい方の場合は、衿下をかきわけてするだけなのでまだマシだが、大きい方はさらに面倒。 衿下をかきわけて上に持ち上げる必要がある。 上に持ち上げた着物と長襦袢を固定するときにクリップを使う。 長襦袢と着物をまとめてクリップで襟に固定することで、幾分トイレしやすくなる。 それでも邪魔だが。
トイレするときに邪魔なものが多いとかなりストレスなので、この不便さだけはどうにかしたいところ。 歩きづらさとか、袂がものに引っかかるとかは些細な問題で、トイレの不便さだけが致命的に嫌い。
最初はもともと持っていた洋服用のハンガーを使っていたが、肩の部分に変な跡がつきそうだったので、 ちゃんとした着物ハンガーを購入した。
普段は収納してあって、横へ伸びるような作りになっている。 展開すると非常に横に長い。押入れとかに入れられない幅になる。
ただその分キレイに干せるので、着物を所持するなら3つは所持したほうがいい。 長襦袢、着物、羽織で合計3つ。 折りたたんでタンスにいれるのでもいいけれど、着物をたたむのは洋服よりちょっと面倒なので、 ハンガーに吊るせるなら吊るしっぱにするのが楽。
リサイクル着物として、長襦袢と着物を購入したのだが、衿下が非常に長く余っていた。 普通に着ると引きずってしまうので、和服店に持っていって寸法直ししてもらった。
着物を寸法直しする際は、長襦袢と着物をセットで持っていくのがいい。 というのも、長襦袢の衿下は基本的に見えてはいけない。 そのため、着物の衿下を短く整えてもらうときは、短くした衿下よりも長襦袢の衿下は短い必要がある。 なので、長襦袢と着物を一緒に持っていって、まとめて寸法直ししてもらうのが楽。
この辺はスーツのジャケットとシャツの関係の逆で面白い。 スーツの場合は、シャツ袖はジャケット袖よりやや外に出るくらいが一般的なので。
それ以外にも、長襦袢の袖が着物袖より外に出ちゃみっともないみたいのがある。 アンサンブル着物(同一柄、同一品質の羽織一式。ようはお揃いモノ)を買えば、その辺の長さ問題はあまり気にしなくて済む。 僕が買ったリサイクル着物も、アンサンブル着物。
ググった感じでは 8,000 円くらいが相場らしいのだが、僕が寸法直しにだしたところは少し安かった。 長襦袢 4,000 円、着物 4,000 円くらいだった。
以下の順序で着る。
最初は着付けに 20 分くらいかかったが、ある程度慣れて今は 7 分ほどで着付けられるようになった。
着付けした直後は歩きづらいので、股割りをすると歩きやすくなる。 ググればやり方がすぐ出てくるので、用語だけ覚えておけば良い。
まだ勇気がでないので、まともに着物で外出できていない。 郵便受けを確認しにいくのが僕には限界だった。 誰とも出会わなかったけれど、外にいる間ずっと心臓がバクバクしてた。 もし誰かと出会ったら不安で気絶してたかもしれない。
本当は部屋と外どちらも着物で生活したいけれど、できていない。 今は仕方なく外出しない日だけ着物で過ごしている。
そもそも、着物を着たいと思い始めた最初の理由はかなり打算的なものだった。 それは「金がかからない」こと。 きっかけは Rise of the Ronin だったが、 そこから調べ始めて実は安いことをカジュアル着物男子デビューと日本版サプールのすゝめ - noteで知った。
おしゃれには無頓着なので、服にあまり手間をかけたくない。 着物なら 3 セットくらい用意して組み合わせを変更すれば、ずっと同じ服を着ていられる。 つまり、服の更新にお金と時間をかけずに済む。 もちろん、この組み合わせ変更は洋服でも同じだが、着物は流行の変化がほぼないから、さらに誤魔化しが効く(はず)。 そんなかなり打算的な理由から、着物について真面目に調べ始めた。 そして調べていくうちに、服テキトーな僕が着物に対して強烈な魅力を感じるようになっていった。
魅力に感じた要素を列挙すると次のとおり。
一方でデメリットを列挙すると次のとおり。
「目立つ」は割と僕の中では致命的なデメリットになっている。 目立つから着物が好きって人もいるだろうけれど、僕は逆。 着物を着たいけれど、目立ちたくはない。 先のサプールブログの人みたいに、着物に洋服を組み合わせるとかはやろうと思わない。 たぶん普通の着物以上に目立つだろうし。
この「目立ちたくない」って思いは、かなり着物での外出ハードルを高めている。 頻繁に利用しているコンビニや飲食店に、いきなり着物で行ったらどう思われるだろう?とか、 「着物のコスプレでもしてるのか?」とか思われたらどうしよう、みたいなことばかり考えてしまう。
別に男性が着物着てることに誰も興味ないだろう、とは思う。 いくら和装男性が和装女性と比べて希少種とはいえ、僕だってすれ違った人が着物を着ていてもなんとも思わないし。 ただの自意識過剰では?って気持ちもある。 わかってはいるが、難しい。 OSS に初めてプルリクを出したときと同じで、最初の一歩が一番怖い。 そこを超えられれば、どうとでもなる。
でも、そこがはるかに長い道のりに感じる。
前の記事 生まれて初めて着物を着た | 次の記事