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投稿日時 2025-03-31 22:00:19 +0900 | カテゴリー ゲーム
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Rise of the Ronin をクリアして、実績も全解除したのでレビューする。 倒幕派としてストーリーを進めて、マップ回収率 95 % くらいで、70 時間ちょいでクリア。 実績全解除の時点では 100 時間ほどだった。
Rise of the Ronin はコーエーテクモの TeamNinja が開発した幕末日本を舞台としたオープンワールドアクションゲーム。 幕末の偉人とあれこれやり取りしながら、相棒(片割れ)の行方を追っていく、といったストーリー。
戦闘システムは明らかに仁王2がベースになっていると思われる。 仁王2と異なりオープンワールドになっており、マップの広さや探索要素が凄まじい。
多少のストーリー分岐があり、本来なら死亡する人物を生還させたりできるが、結末は同じになる。 敵は基本的にすべて人間で、大ボスとか妖怪みたいなやつは全くいない。
まず、良かった点と悪かった点を列挙して、そのあと詳細を書く。
このゲームの最も評価されるべきポイント。 さすがは TeamNinja という感じで、戦闘の手触りがめちゃくちゃ良い。 チャンバラを最高に楽しめる。
そもそもオープンワールドで戦闘アクションに力が入ってるゲームは数が少ない。 アサクリや Ghost of Tsushima の戦闘は単調だし。 GTA や Red Dead Redemption はシューティングゲームだから方向性が違う。 戦闘メインのオープンワールドとなるとエルデンリングが該当するけれど、エルデンリングと Ronin は全然違うゲームだ。 まず世界観だって違うし、戦闘システムも全く違う。
仁王2をプレイしたときにも感じたが、仁王系のアクションとエルデンリングのアクションには明らかな違いがある。 エルデンリングはアクションゲームだけれど、操作がめちゃくちゃ単純。 地道に回避とちまちま攻撃を重ねてを繰り返すようなボス戦になる。 ただし、単純な操作の中に豊富な選択肢が用意されていて、それらの選択をプレイヤーにゆだねている。
一方で、本作を含めた仁王系はどうか。 相手の動きを見切るのが重要なのはエルデンリングと同様だけれど、 それに加えて複雑な操作が求められる。 ここがエルデンリングと明確に違う。 多彩な操作を可能にする代わり、複雑な操作も要求されるのが仁王系。
Ronin は通常攻撃、流派切り替え、武器切り替え、閃刃、武技4種、投擲、ガード、石火、回避と即座に発動できるアクションが非常に多い。 そのため、使いこなすのにはかなりの慣れが必要になる。 その分、慣れたときのスピード感ある戦闘は病みつきになる。
本作は特に石火(パリィ)が重要になっている。 仁王2のときは、パリィは武技の 1 つで、できる装備とそうでない装備があった。 また、パリィが武技の枠なので使わないこともできる。 本作は石火がボタン 1 つで発動できる標準操作の 1 つになっているし、石火を使う前提でバランス調整されている。 この石火が戦闘のアクセントになっていて、非常に良い感触につながっている。
まず音が良い。弾き返したときのエフェクトと轟音が、戦闘の迫力を増す要素として機能している。 次に、攻めのための要素になっている。 石火で敵の攻撃を弾くと、敵の気力を減らすことができる。 そのため、連撃してくる敵は石火難易度が高いのだけれど、その分すべて石火したときのリターンも大きい。 チュートリアルでは「連撃の途中を石火しても怯まないので、最後だけ石火して他はガードしたほうがいい」と説明される。 実際、普通にプレイする分にはそれで十分だ。 けれど、練度が高まって連撃を石火できるようになったらその分戦闘が早く進行して、自分の攻撃ターンが増える。
「自分のターンが増える」のがこのシステムの良さに思う。 エルデンリングや仁王2では、ガードしてもいいけれどガードするとすぐに気力が切れるので、回避が基本姿勢になる。 が、回避中は基本的に攻撃できないため、戦闘がターン制になりがち。 敵の攻撃ターンをすべて回避して、自分のターンで攻撃。終わったら敵のターンで回避、といった具合で進行する。 別にこれが悪いとは思わないが、連撃してくるボスや、動き回るボスが相手のときは回避しかできず戦闘が長期化してしまう。
石火はこのターン制を崩す要素になっている。 基本はガードしつつ、最後の攻撃だけを石火して攻撃、で普通にプレイする分は問題ない。 相手の攻撃を見切れるようになったら、全部石火して気力を削っていき、自分のターンになったら一気に連撃を叩き込んでそのまま追い打ちに持ち込む。 連撃途中の石火で敵の気力が切れれば、動揺して追い打ちできるようになる。 そのため、攻撃を見切って石火をすればするほど、攻撃ターンが増えて、戦闘が早く終わる。
SEKIRO もパリィがあるけれど、SEKIRO よりパリィは取りづらい印象だったが、難易度は SEKIRO よりはるかに低い。 一応、Ronin は石火したほうがいいけれど使わなくても勝てる(はず)。 ただ Ronin の石火はマジで気持ち良いので、積極的に石火したほうがいい。
あと敵はすべて人間(一部動物)で、超巨大ボスみたいなのはいない。 プレイヤーとそこまで体格が変わらない敵しかいないためか、攻撃のすべてが石火できる。 エルデンリングだとパリィ不可の攻撃がたくさんあるうえに、パリィできるかどうかは試さないとわからなかったが Ronin は全部石火できる点で優しい。
CGWorld.jp のインタビュー記事「Team NINJAの技術力が随所に光る幕末アクション『Rise of the Ronin』後篇」を読んだ。 古地図をもとに地形を作ってその上にランダムで建物などのアセットを自動配置しつつ、細かい部分は調整して町並みを作ったとのこと。 記事のとおりで町のコピペ感はほとんど感じず、自然な町並みが作られている。
一般人もたくさん歩き回っていて、飛脚らしき人や、お店をやってる人、お坊さんなどバリエーションも豊富。 雨が降ったら傘をさしていたり、手を頭の上にもってきて小走りで移動したりと、自然なモーションで人々が行き交っている。 雪が降ると足元に雪がつもるし、雪の上を歩くと歩いた後が残る。 「当時の人達は実際こんな感じで生活してたんだろうな~」と思わせる説得力があると感じた。
また、コンセプトアートのとおりで、横浜、江戸、京都の3舞台のいずれも独特の雰囲気の違いがあり、マップが変わるたびに新鮮な気持ちで探索ができた。 幕末の日本の横浜、江戸、京都をオープンワールドで自由に探索できるというそれだけでも素晴らしい価値がある。 さすが日本の歴史ゲームを何度も作ってきたコーエーテクモだなと思う。
ファストトラベルは細かく用意されていて、いつでも使用できる。 マップ探索でファストトラベル地点が増えるので、自然とマップ探索するような導線となっているのも良いところ。 馬のオートランや、アビキルによる滑空で、広いマップの探索も快適に進められる。 アイテム収集率も見られるので、取りこぼしを防げるのも助かる。 シナリオ分岐やりなおしといった機能もあって、過去に遡って選択肢を選び直したりもできる。
オープンワールドはいかんせんマップが巨大なので、いわゆる「オープンワールド疲れ」が発生しやすい。 Ronin はそういった疲れを少しでも減らせるように、あらゆる面で快適にプレイできるよう配慮されていると感じた。
グラフィックは悪いと思わなかった。 世間的にはグラフィックが古臭い、とさんざんいろんなところで言われている。 実際、2020 年に発売された Ghost of Tsushima と比べても、やや見劣りする感じはある。
とはいえ、グラフィックがしょぼいとは思わない。 2025 年発売のゲームにしては微妙かもしれないが、十分キレイな部類と感じた。 オープンワールドで世界を見渡したときは圧巻したことも多い。
あとイベントシーンの演出に力が入っていて良かった。 どうやら制作に映画監督の方も関わっているらしく、映画さながらの演出になっているのはそういうことなんだと思う。 それらも相まって、グラフィックやムービーにチープさは感じなかった。
フォトモードも搭載していて色々フィルターをかけて写真を撮れたのも良かった。 名所だけじゃなく、自分で見つけた絶景ポイントを何枚も写真に収めるのがとても楽しかった。
ロマンス要素はプレイ前そこまで期待してなかったけれど、いつのまにか好きになっていた。 なんだかんだ、登場人物は魅力的だし、ストーリー中何度もやりとりするので愛着が湧いてくる。
比翼の契を結ぶことで、超親密な関係になれて、色々と関係に変化が生まれる。 自宅を訪ねてきてくれて、契を結んだ人は主人公の隣に座ってくれたり、徒党参加時のセリフが変化したり、ラスボス戦前に専用セリフが用意されたりする。嬉しい。 浮気もできるらしかったけれど、絶対後悔するのでやらなかった。
仁王2と同様に、装備品ごとに特殊効果がランダムに付与されていて、揃え効果といったものもある。 ただし、仁王2よりビルド幅はかなり狭く感じる。
仁王2はビルド幅が非常に広くて、どういうビルドにするかでプレイスタイルが大きく変わる。 ビルドに合わせてスキル構成や装備の効果を厳選する必要があって、そこに奈落獄といったエンドコンテンツも合わさって深い沼が広がっている。 一例を上げると、こんなビルドが組める。
奈落獄までいくと、タンクビルドはほぼ不可能で、火力特化にしないと敵の自動回復に削りが追いつかなくなる。 さらに混沌やられを狙わないとそもそも倒せなかったりと、かなりビルドに悩む。
Ronin の戦闘システムはそこまで奥が深いものではないように感じている。 Ronin はスキルポイント割り振りができるものの、ステータス割り振りはない(厳密には、スキルポイントがステータスも兼ねている)。 スキルポイントも最終的には全開放できる。 Lv 上限も 100 しかない。
戦闘も忍術や陰陽術といった特殊なものはなく、基本的に肉弾戦がメインとなる。 弓、銃もあるけれどこれら特化にする意味は薄い。 そのため、豊富な特殊効果と揃え効果がありつつも、ほとんどのプレイヤーは最終的にだいたい同じビルドにたどり着くと思っている。 そういう点で、ビルドの幅が狭いと感じたのは、マイナスポイントだった。
あと誰がプレイしても絵面が同じに見えるのも気になった。 肉弾戦が主だし、石火はほぼ必須で、武器や流派の違いはあるけれど、ガラッと見栄えが変わるほどのプレイスタイルの違いがなさそうに見えた。 クリアしたことで攻略動画とか、他の人のプレイ動画を見るのも解禁したけれど、他の人のプレイを見ても絵面がどれもほとんど同じだな、って感じた。
仁王2もそうだったけれど、Ronin は基本的にソロでプレイするゲーム。 協力プレイはおまけ程度のもの、あるいは勝てなくて困った人用の救済措置の1つと見ている。
徒党参加できる本編ミッションや、クリア後の徒党ミッションで協力プレイができる程度で、オープンワールドを一緒に探索したりはできないのが残念だった。 せっかく作り込まれた幕末を歩き回れるのだから、マップを適当に歩きながら治安改善とかしたかった。
ジェスチャーも豊富に存在するけれど、基本的にマルチで使うことがない。 ミッションが開始したら速攻でみんな動き始めるんで、ジェスチャーを見せるタイミングがない。
前述の「ワールド上で協力マルチできない」とも関連するけれど、ダンジョンがない。 たぶん史実の地形や町並みに合わせた都合で、そういう建物が作りづらかったのかもしれない。
仮に今のマップのままワールド上で協力マルチができたとして、治安改善以外にやることがないから、ワールド上マルチを実装しなかったのかも?と思った。 でっかいダンジョンみたいな謎の建造物を手探りで探索するような、冒険的な楽しみが Ronin には薄いと感じる。
ダンジョンでなくとも、でかい城の内部とか探索できたら嬉しかったのにな、と思った。 Ronin には江戸城があるけれど、ワールド上で江戸城内を自由に探索したりできなくて悲しかった。
今作は周回要素がなくて、クリア後に暗夜オープンワールドと、暗夜ストーリーミッションがそれぞれ独立して追加される。 本編みたいにマップ上を移動して本編を進めたりできなくて、周回プレイとは全然プレイ体験が違う。 エルデンリングや仁王2では、周回時に装備構成や見た目を一新して、全然違う人としてロールプレイして遊ぶのが好きだったので、 周回プレイは用意しておいてほしかった。
最初からニューゲームしてもいいんだけれど、それだとロールプレイ用の服集め直しだし。
時間を巻き戻してシナリオ分岐をやり直せるような作りになっている点からも、 周回プレイを想定してなくて、一周+巻き戻しで一通りプレイすれば遊び尽くせるように設計されてそうに感じる。
後半になると固有 NPC の衣装や、その色違いが入手できるけれど、序盤に入手できる衣装がかなり地味。 モブっぽい衣装や、その色違い衣装がかなり多い。
そもそも、和装ってシルエットの違いがほとんどないから、色違いでバリエーションを増やすしかなかったのかな~と思いつつ(着崩し等の違いはあるけれど)。 もう少しアクセサリ衣装で着飾れるようになってたらコーデが捗って嬉しかった。
こんなところ気にする人も稀だと思うが、着物の袖の表現は直してほしい。
着物の袖幅、袖丈の表現が現実にあるものと比べると違和感がある。 僕は普段着で着物を着たりするので、袖を見る機会が多いから特にそう感じる。
Ronin の着物の袖は、腕に密着した布に対して袂がぶら下がるような表現のされ方になっている。 そのため、腕をおろした場合のシルエットが着物っぽくなくて、洋服っぽいストンとした形になっている。
しかし、現実の着物では腕をおろした場合、袖丈の部分は立ったまま外に残る。 なのでシルエットだけで着物かどうかの判別ができるくらい、特徴的な形になる。 こういう着物特有の布表現も再現してほしかった。
まぁ、着物の物理演算は洋服の物理演算よりはるかに難しいと思うので、技術的に難しかったのかもしれない。 そもそも、着物の物理演算とか研究している人も少ないだろうし。
あと生地がすごくペラペラに見えてしまって、そこもマイナスポイント。 夏用に単仕立ての着物を着用しているなら分かるけれど、 作中は降雪シーンが多いので、夏以外用の袷仕立ての着物を着用するシーンが多いと思っている。 そのため、布の表現をもっと固い感じにしてあると、より雰囲気が出たのでは、と思った。
概ねロマンス要素は良かったのだけれど、できればもうちょっとロマンスしたい気持ちがあった。 契を結んだ人と、オープンワールドの町並みを歩いたり、治安改善したかったなぁと。
オープンワールドの町並みは本当によくできていて、屋台や飲食店とかがいろんなところにあって、声掛けしている NPC とかも見られる。 団子屋さんや寿司屋さんの店もあるけれど、食うことはできなくてただのオブジェクトになっている。 こういう店を NPC と一緒に見て回りたかった。 現状、ちょろっと会話できたり、自宅に着てくれたりするくらいしか交流要素がなくて味気ない。
ちなみに侍道3というゲームには伴侶ってシステムがあって、伴侶とマップ上歩き回って一緒に戦ったりできる。 こういうのが Ronin にも欲しかった。
史実の幕末の歴史をなぞりつつ、隠し刀としてのストーリーが平行して進むストーリー展開は普通におもしろかった。 ただし、手放しで褒められる感じではない。
まずストーリー分岐があるものの、最終的な結末は同じになる点で、自由度が少ない。 本来死ぬはずの人物を生還させられたりできるが、生還させたことで特にストーリーが大きく変わったりしない。 自分は、佐幕派が勝利して侍の時代が続いた未来とかも見てみたかった。 それこそ、刀(というより日本の侍)が重火器より強くて、それが西洋を圧倒するようなトンデモストーリーとかも可能性としてはあったよなぁとか思う。
史実へ添わせるために、主人公があえて重要人物を殺さず見逃すことが多いのも気になったところ。 途中佐幕派と倒幕派のどちらの勢力につくか選択を迫られて、反対勢力と敵対する。 当然、敵対勢力と戦闘することになるのだが、倒した有力人物を殺さずに見逃すシーンが何回もある。 倒幕派として桂小五郎と戦って、殺さずに見逃したりするし、ワールド上で敵対勢力の拠点へ普通に入っていって会話したりできる。 久坂玄瑞みたいな過激な奴らだと、出会い頭に切りかかってきてもおかしくないのでは?と思っていた。
まぁ主人公の目的は片割れを探すことなので、重要人物を殺害したことで片割れを追うのが難しくなるのを避けてる、と解釈できるかもしれない。
装備品にレアリティやレベルの概念があって、これがハクスラ要素になっている。これは仁王2にもあった要素。 オープンワールド上の宝箱などからも装備が入手できるのだけれど、序盤に入手した装備は全部すぐに型落ちで分解することになって悲しい。 なので、宝箱から装備が手に入っても、正直あんまり嬉しさがない。 レベルの影響を受けないスキルポイントアイテムとかは嬉しいけれど、消耗品だから味気ないし。 本編進めて敵のレベルが上って、敵のレベルに合わせて強い装備がドロップするので、 序盤に頑張ってアイテム入手するより本編ガンガン進めたほうが強い装備を入手できる。
エルデンリングとかだと序盤に入手した装備が最後まで使えたりするので、嬉しさが強い。
この辺はハクスラ要素と、オープンワールドの相性の悪さを感じたところ。 マップを時間かけて歩き回って手に入れた装備がすぐに型落ちすると、探索のモチベーションが下がってしまう。 型落ちしてしまう装備品はマップ上に配置せず敵から完全ランダムドロップにするとか、そもそもレベルの概念をなくしてしまう、などのほうが良いのかもしれない。
一応、重ね着システムがあって、性能据え置きで入手した装備の見た目に変更できるので、まったく無価値というわけではない。
本編中何度も片割れとボス戦になるわけだけれど、個人的には片割れいなくて良かったのでは、と思った。 というのも、片割れがストーリーの流れを史実に添わせるための都合良い道具として使われていて、いなくても良いどころか邪魔に感じたから。
途中佐幕派と倒幕派の全面戦争として戊辰戦争があって、プレイヤーがどちらの勢力につくか選択できる。 が、どちらの勢力に加担しても、倒幕派が勝利する。 佐幕派について敵を全滅しても、片割れが徳川慶喜を暗殺しにいってしまい、徳川慶喜が逃亡して佐幕派が敗北する流れになってしまう。 史実でも、戊辰戦争は倒幕派が勝利するので、その史実の流れへ無理やり合わせるのに片割れが使われている。 でも、自分としてはそれまでのいろんなやり取りの末、佐幕派についたわけで、それを片割れに邪魔されるのがとにかく鬱陶しい。 佐幕派が勝利して幕府政権の時代をもっと続けさせた場合の IF が見たかった。
そりゃ隠し刀たち的には 10 年以上一緒にすごした大事な相棒なんだろうけれど、 プレイヤー的にはチュートリアルを一緒にクリアした程度の間柄にすぎない。 ぶっちゃけ対して仲良くもない相手だから、第1章にハリスのところで遭遇したときにさっさとぶち殺したかった。
片割れにその後何度も邪魔されて撃退し、そして逃げられるのを繰り返した末に 分岐によっては井伊直弼、坂本龍馬、中岡慎太郎を殺しやがるもんだがら、正直ヘイトのほうが強い。
なので最後の隠し刀戦後の選択では迷いなく殺した。
TeamNinja の初めてつくったオープンワールドとしては十分楽しい作品に仕上がっていたと思う。 戦闘に石火を組み込んだチャンバラを思う存分楽しめるので、それだけでもこのゲームは買う価値があった。 幕末の日本を気ままに散歩したり、衣装替えを楽しんだり、ロマンス、観光など、なんだかんだオープンワールドのマップを堪能できた。
けれど、気になった箇所も多く、オープンワールドの自由さを上手く戦闘システムやストーリーに連携できていなかったように感じた。 難易度はかなりマイルドになっていて、ビルドの自由度も狭くなっており、仁王2みたいなやりこみを期待してプレイすると肩透かしを食う。 やりこみ幅は狭いけれど、オープンワールドゲームとしては戦闘アクションにめちゃくちゃ気合が入った作品、といった感じか。
史実をベースにしたコーエーテクモのアクションゲームだと、三國無双、仁王、Ronin が該当するが、いずれも史実の流れに沿いすぎる印象がある。 史実がドラマチックなストーリーを演出する一方で、ストーリーの幅を狭めてしまっている印象もあるので、 次は完全オリジナルの人物のみでストーリーや世界観を表現してみてほしいと思った。 そのほうがハチャメチャな展開やシナリオ分岐も作りやすいように思う。
Rise of the Ronin の「幕末を舞台とした和洋入り乱れる世界観をオープンワールドで探索しつつ戦闘を堪能できる」のは、 めちゃくちゃ可能性を感じている。ぜひシリーズ化して続編を作ってほしい。 その時はオリジナルの人物と町で、オリジナルのストーリーラインを表現して、プレイヤーの選択で結末が変わるような話にしてほしい。
以上。
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